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宮脇賣扇庵
第3回手馴草展 京都日本画家による扇子展

 

今年創業200年の扇子製造販売老舗「宮脇賣扇庵」(京都市中京区、南忠政社長)で「第3回手馴草展 京都日本画家による扇子展」が開かれています。京都で活躍する12人の日本画家が扇面に筆をふるった作品など約60点を展示しており、艶やかな雰囲気が来店客の目を楽しませています。

2021年から毎年開いている取り組み。作家はそれぞれ扇面画と平面画合わせて数点ずつ出展しており、蝶や草花、龍、芸舞妓、京都の風景など、バリエーションに富んだ作品が並んでいます。扇面に直接描いたダイナミックな作品のほか、扇子を収める桐箱にも装飾を施した作品などもあります。
毎年出店している京都府向日市在住の田住真之介さんは金魚などをあしらった作品を出品。中でも水面を泳ぐペンギンを描いた作品はモノトーンながら扇の曲線と相まってユーモラスな印象を与えます。普段は身近な生き物をモチーフに描いている田住さんは「生き物の目が扇面の折り目に重ならないように意識して描きます。普段の日本画は描けば完成ですが、扇子の絵は仕立ててみないと出来栄えがわからないところが面白味でもあり、難しさ。扇子に描くことで表現の可能性が広がります」と語ります。

同店は「手に馴染む装飾品としての扇子の魅力に気づくきっかけになれば」と話しています。
会期は9月3日まで。入場無料。午前10時から午後7時まで(9月1日と2日は午後6時まで、3日は午後4時まで)。

 


艶やかな雰囲気が来店客の目を楽しませている「第3回手馴草展 京都日本画家による扇子展」=宮脇賣扇庵で

 


泳ぐペンギンの様子がユーモラスな印象を与える田住真之介さんの「爽」

 


扇面に直接描いた宇野小百合さんの「湖上」。奥琵琶湖の山桜を題材とした

 


今回初出展の直海かおりさんの作品「福音」。優しい表情の龍が描かれている